市民活動フェア in あびこ2006 全体企画レポート 企画番号【34】
「生涯現役フォーラム」
 
〜仕事以外の居場所づくり〜
ようこそ地域活動 50代60代のためのインターンシップ事例 
西村美智代さん(我孫子の景観を育てる会)、小野公嗣さん(ふれあい塾あびこ)
2人の参加事例が、このページ中段に掲載されています。
2006年2月5日(日) 13:00〜14:40/アビスタ1階ホール
シニア世代の皆さん、地域での生きがいを持っていますか?
50代の皆さん、定年後のライフプランを持っていますか?
2007年から団塊の世代が定年を迎え始め、生活の中心を地域に持つ市民が続々と増えていきます。
新しい人生の出発と、地域とのWin-Winを、7人のパネラーとともに考えました。
福嶋市長(中央)と、市民活動団体から6人がパネラーとして登壇
●会場は、ほとんどシニア世代の男性たち。定年後の地域での過ごし方に、関心が高まっている時代がうかがえます。 ●オープニングとして、今年60歳定年を迎える、昭和21年生まれの人をモデルに、生い立ちからの社会をスライド構成。BGMはナマ演奏で。
【資料】
●内閣府の2003年調査で、「地域活動に参加している人」は年代があがるにつれて多くなり、70歳代が最も多い反面、「参加したくない」と考える人が、70歳代では過半数に達して、全世代で最も多くなっている。
60歳を迎えた時に、うまく活動に入れた人と、背を向けてしまった人に分化した図式が現れている。
■グラフ資料
◆実行委員長/島藤紘子さん (すずらんの会 代表)
◎男性が市民活動に加わる時、現役時代の会社名と役職名は必要ないと思います。以前から活動している女性は、こうした肩書きなしで活動していますから。市民活動の組織上の肩書きは、会社のそれとは違うのです。

◎男性が地域に戻って来て一番大変なのが、連れ合いである奥様ではないですか?市民活動へ一歩踏み込む前に、まず自分の身の回りを奥様まかせにしないことで、ご自分の下着などは自分で整える、食事も自分で作って食べることぐらいはできるようになっていたほうが、良いと思います。
生活の基本の自立をして欲しい。これは奥様もあまり手を差し伸べず、自分のことは自分でと、ほっておくのもいいのでは?

◎(市長の発言を受けて)私の活動をしている他の団体では、男性のかつての仕事で活動上助かっていることもあります。いわゆる肩書きではなく、専門的なコネや施設の使用で便宜をはかってもらえたことなどもありました。

◎男性も女性も、60才過ぎたらあまり縛りあわないで、お互いに素敵なお友達を作って、楽しい活動をすること。対立ではなく win-winで行きたいですね。

◆NPO法人 ■ACOBA (我孫子のコミュニティビジネス支援)代表/関本征四郎さん
■我孫子の地域で、コミュニティ・ビジネスが成り立つよう、サポートする団体として活動している。
■コミュニティビジネス活動で歓迎される人は、肩書きを出さないこと、有限実行の人、当然責任感・行動力がある人、プラス発想の人、議論のための議論をしない、考え・アイデアを出す人、投資を惜しまないこと、人・特に地域では女性を尊重するひとなどが求められ、その逆の人が敬遠されます。

■我孫子は13万人の人口があり、しかも300近い市民活動団体がある、これは我孫子の地域資源-ひと・もの・かね・情報・それに文化・歴史がそろっているからで、これらはすべて地域の資源といえる。ACOBAでも7つもの事業に挑戦中であり、十分コミュニティビジネスは成り立つと思う。
■今、一番の心配は我孫子市の財政がパンクしないかということ、医療費が増えると、これが大きな負担となる。元気で医者にかからない、元気でいるためにはいきがい・やりがいがあること、生きがいは仕事とネットワークがあることと思う。
皆さん、元気で医者にかからないようにコミュニティビジネスをやりましょう。

◆手賀沼クラブ・■我孫子走友会/辻輝房さん
市民活動というと福祉・ボランティアのイメージを持つ人もいるが、スポーツして健康を楽しむのも市民活動、という観点でスポーツ団体からパネラーとして参加。
我孫子市で3年前から取り組んでいる”総合型地域スポーツ”の実現をめざす。それに市民が気楽に参加できる体制を”市”とスポーツ団体が確立することで、”健康で長生き”出来るための市民の”体力作り”の強化を推進したい。
その実現で”個人の成人病の予防”にもなり、ひいては将来の我孫子市の老人医療の大幅削減が可能となっていく。”生き生きした街”にしていくための”我孫子市の健康街作り”に向けて取り組む。
我孫子市には、沢山のスポーツ団体があるので、自分が興味のある団体に一度チャレンジし、体験入学して頂きたい。その中で、沢山の地域の仲間をつくり、自分の生きがいを見出して欲しい。自分の健康は自分で守っていかないと、参加したい地域活動もできなくなり、自由な時間さえも失われてしまう。

◆我孫子市長/福嶋浩彦さん
定年で地域に戻ると、夫婦の力関係が逆転する。現役時代は奥さんが「○○さんの奥さん」と呼ばれていたのが、地域では「○○さんのご主人」としか呼ばれず、「どういう大手企業でどんな部長をやった人」というのは、あまり話題にならなくなってしまう。

団塊の世代が地域に戻ってくると、今まで女性が中心だった市民活動から、流れや活動の質が変わってくるだろう。団塊の世代にぜひ活性化を期待したい。市からサービスを受けるだけでなく、一緒にやれる仲間を探して、能力や技能を地域に生かしてほしい。

コミニュティビジネスについては、既存の商店・企業との競合もあるが、すべてが重なるわけでなく、住み分けもできると思っている。競合する部分については、コミュニティビジネスだから何か補助をするとか優遇するということは、考えていない。あくまでもお客様(市民)の選択の自由ということになるだろう。

【資料】
●注目される我孫子市の地域参加プログラム
・団塊の世代が続々と60歳に到達し始める「2007年問題」が間近にせまり、我孫子市の地域活動インターンシップ・プログラムが、昨年末からマスコミによく取り上げられた。

・2005.12.25 TV朝日「サンデープロジェクト」(右写真)
・2006.1.1 東京新聞 「格差社会の自分さがし」
・2006.1.5 朝日新聞 社説
・2006.1.5 読売新聞1面「新団塊ライフ」
・2006.1.5 NHKラジオ第一「地域活動インターンシップ」
◆NPO法人 ■あびこ・シニア・ライフ・ネット代表/佐々木敏夫さん
中高年世代がパソコンを使えるように支援したり、地域に密着したさまざまな活動を行っている。
コミュニティ・ビジネスとして成り立つ活動をめざしている。庭木の職人仕事を請け負える人もおり、人によっては年収40万円ほど得ている。

1.あまり難しいことを最初から考えるばかりでなく、できることから始めて見ることです。
2.こちらから活動を押しつけるのではなく、利用していただく方々のニーズに応えることが大切です。
3.活動日時も、利用者の要望にできる限り合わせるように設定。(土日祭日及び時間も要望に応える)
4.利用者に喜んでいただける活動を促進することで、新しいニーズ生まれ、活動範囲が 自然に広がります。
5.活動範囲が拡大し、利用者の要望が増えることがビジネスにつながります。
6.地域の方々に喜んでいただけることは、自身の喜びになり、地域活動が楽しくなり、体を動かすのは健康にも良い。それに伴い、少しでも収入が発生すれば更に楽しみが増えます。
お互いに助け合い、安心・安全で暮らせるまちづくりを進めていきましょう。

【地域活動インターンシップ体験参加】
■「我孫子の景観を育てる会」に参加した西村美智代さん
広報あびこの、インターンシップ体験募集をきっかけに、「景観の会」と「ふれあい塾」に体験参加した。「景観の会」では美しいまちづくりという会の姿勢に共感。
月1回の定例会をはじめ、体験したのは日立経営研修所の庭園公開や、景観コンサートの手伝い。
参加してみると、会の受入れ態勢がよくて、すぐに溶け込めた。
建物や看板への規制と調和の難しさを感じた。今後は景観の法律をはじめ、いろいろ勉強していきたい。
【地域活動インターンシップ体験参加】
■「ふれあい塾あびこ」に参加した小野公嗣さん
退職後の煩雑な諸手続きを終えたあと、少しホットして旅に出たり美術館巡りをしたり、講演会にも出てみた。しかしこれらは一方通行であり、受身のままで終わってしまう。 定期券も無くなったし、やはり社会との関わりをもって、地域の一員として自分の居場所を持ちたいと思った。

ところが生活圏の中にどんな団体があり、どんな活動内容なのか、どこへ行けばよいのかが判らない。そこで市が企画したシニア世代歓迎の集い−(定年などによって生活の中心を地域に移したシニア世代のための、サポ−トプログラム)に出かけ、社会活動を一定期間体験する地域活動インタ−ンシッププログラムに手を上げ、「ふれあい塾あびこ」の活動を体験させていただいた。

「ふれあい塾あびこ」は毎週2回、シニアのための生涯学習や交流の場を運営。プログラム企画に加えて、教室にスリッパを並べたり、部屋のレイアウトや講師・塾生のみなさんへのお茶出し・弁当手配など仕事が一杯だが、みんなが現役時代の組織や肩書き無しに、協力してひとつのことを進めていく作業を楽しんでいる。

体験後もメンバ−の一人として受け入れていただき、地域内に知り合いが少しづつ増えていくのが嬉しい。

◆司会/森 大吾(フェア全体企画会)
年金開始年齢が順次65歳に引き上げられるものの、企業の定年がすぐに65歳になるわけではない。雇用が保証されても、60歳で退職金を精算して再雇用の形にする企業が多く、収入の大幅ダウンは避けられない。
したがって、地域である程度の収入も得ながら、趣味やボランティア貢献活動ができる「コミュニティ・ビジネス」が注目されている。

65歳以上のネット利用率はまだ17%と低いのに対し、これから定年を迎える団塊の世代は、特にホワイトカラーだとほぼ100%がインターネット、電子メールを使える状態で、2007年から続々と地域に突入してくる。このデジタル格差で市民活動に波風が起こる可能性がある。両世代が尊重しあう活動が望ましいが・・

【資料】
■我孫子市における団塊の世代比率
■年金支給年齢が順次65歳へ
■ICTディバイド問題
●「3食つきで家にいるだけの亭主だと、奥さんはたまったものじゃない」と、男性に厳しい島藤さんの発言に、どっとわく場内。 ●体験プログラムは、どこに行けばよいのかの橋渡しができる。「まずやってみる、やってみたら、の後押しができるのがいい」と語る、西村さん・小野さん。
●これからリタイアする団塊世代の地域への貢献に期待する
<新現役の会>代表  古賀直樹
団塊世代はこれから企業・組織をリタイアし、晴れて自由の身になります。
“待ってました定年”と思っている人も多いだろうし、これからが不安だと感じている人も多いかもしれません。どちらにしても、これからの第二の人生をどう生きるかは、”終わりよければすべて良し“でありたいものです。
  “これから地域に戻って、何か面白いことやろうぜ!!”
  “『一丁あがり』の人生から『一丁やったる』の人生へ”
  “社会に必要とされているから、人生は楽しい”
 と考えたい。
これからの人生を本物の生き方にするためには、終の棲家になる地域で自分を生かした活動をして行く必要があります。
地域で新たな遣り甲斐を持って活動する人を“新現役人“と名づけました。
若い世代から、大人(新現役人)はやるときはやる人達と言われる生き方をして、地域に貢献して行きたいですね。 
■新現役の会は、地域で活力ある人生を送りたいシニア世代のネットワークで、福岡に本部がある。
●我孫子でも、シニア世代のグループメールからスタートしてみてはどうだろうか。
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